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Glastonbury The Movie
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Glastonbury Fayre

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 実をいえば、これはこの作品、『Glastonbury The Movie(邦題 : グラストンベリー)』が、映画として公開されたときに、パンフレット用に執筆した原稿で、ライナーとしては考えてはいなかった。だから、書き方のアプローチも違うし、本来そういった依頼を受けていたら全く違うものになっただろうと思う。なぜなら、パンフレットの原稿は宣伝としても利用されることになるだろうし、不特定多数の人の目にはいることになる。一方で、ライナーとは、なによりも作品を購入した人に向けて書くものだと思っている。だから、より詳しい情報を加えてあげたいと思うし、もっともっと深く作品を理解し、感じることができるような情報も付加してあげたいと思う。さらに、もっと多くの分量を書くこともできたはずだ。

 そんな意味で言えば、ライナーとしてはかなり不満なのだが、30数年にもおよび歴史を持つグラストンバリー・フェスティヴァルの魅力や意味を完結にまとめ上げたという意味では納得もしている。

 おそらく、原稿を読んで気付く人もいるかと思うんだが、この文章の中で意図的にグラストンバリーという名前を書くことを避けていた。なぜなら、Glastonburyというのは、グラストンバリーと表記されるべきであって、グラストンベリーというのは間違っていると思うからだ。実際、そんな発音を現地の人はしていないし、百人に尋ねたら百人が、どう聞いても「グラストンバリー」といっているように聞こえるのだ。翻訳も通訳もしてきた人間として、さらに加えていうならば、日本人として初めてこのフェスティヴァルを取材し、四半世紀にわたって取材を続けている人間として、このDVDのタイトル「グラストンベリー」を使いたくはなかったのだ。もし、書いていたとしたら、自分の書いた表記が、おそらくは、「編集作業」で書き換えられていただろうと思う。

2008年1月13日補足

Glastonbury Festival


 新しい世界への扉が目の前で開かれたようなものだった。日本ではまだほとんどその存在を知られていなかった82年6月、地元の仲間たちと向かったのがサマーセットの田舎町。緑の丘がなだらかに波を打ち、のんびりと羊や牛たちが戯れる牧歌的な風景の向こうに、周囲とは違った色彩を持つ一角がぽっかりと浮かると、そこが「ヒッピーの祭り」と呼ばれていたフェスティヴァルの会場だった。ゲートをくぐり抜けるとキャンプしている人たちのラジカセや独自に持ち込んだサウンド・システムから聞こえてきたのはジミ・ヘンドリックスやボブ・マーリーの音楽。その時目に入った光景は、映画でしか知らなかったウッドストックそのままだった。60年代の終わりからまるで時間が止まってしまったかのような、その世界が持つ強力な磁場に吸い込まれるように、あれ以来、欠かさず体験したきたのがこの祭りだ。25年前に体験したマジックが、今も効いているということなんだろう。

Glastonbury Festival  かといって、その魅力はメディアに語られるような音楽ではなかった。実際、音楽に使われているスペースは会場の一部にしか過ぎない。が、音楽が焦点だとしたら、その奥に広がる「もうひとつの世界」こそが魅力だったのだろう。日常とは趣を異にした、何ものにもとらわれない解放された世界が広がっている。それこそが、主催者の農夫、マイケル・イーヴィスが当時のインタヴューで口にしていた世界なのかもしれない。

「ディランのような人たちが歌っていたことを現実のものとしたかった。オルタナティヴな考え方を持った人たちが年に一度でもいいから集まってこられるような楽園を作りたかったんだ」

 だからなんだろう。大騒ぎをしているステージに近づくことなく、ここで開催期間の3日どころか、1週間近くも過ごしている人たちがどれほど多いか... 自然のエネルギーだけで運営されているエリアからシアターやサーカスのエリア... 広場で突然芝居が始まると思えば、どこかで演奏が始まってしまう。子供たちのエリアに行けば、彼らこそが主役となるエンタテインメントが繰り広げられ、夜になると天空に天使が舞うこともあった。まるでアリスが迷い込んだ「不思議の国」にいるような錯覚さえ覚えるのがこの「祭り」なのだ。

Glastonbury Festival  その魅力を伝えようと、幾度も原稿を書き、無数の写真を発表した時期もあった。ビデオ取材をしてテレビを使ったこともある。そのうち35カットが今回の映画で使用されているんだが、それでもこの「祭り」の魅力を伝えるには不十分だった。そんなビデオ・ジャーナリストからニュースやドキュメンタリー映像のみならず、一般の人たちが撮影した映像も含めて編集され、制作されたのがジュリアン・テンプル監督のこの作品。時空を越えて「祭り」の始まりから終わり、そして、おそらくは未来までをも伝えながら、メディアではほとんど語られることのなかった、そのエッセンスを見事に描き出している。

 が、それでもまだ充分だとは言えない。なにせ、こればかりは体験してみないとわからないのだ。便利さのかけらもなく、文明からもほど遠い片田舎。雨ともなればずぶぬれになり、泥まみれで歩くことさえもがおっくうになる。朝ともなれば、真冬のような寒さに凍え、3日間にわたってシャワーも浴びるることができない。時には「帰ってしまおうか」と思うこともあるのだ。ところが、一度、体験してしまうと抜けられない。それはマジックのようでもあり、麻薬のようでもある。その結果が、過去25年にも及ぶ「祭り」体験となってしまったわけだ。いやぁ、抜けられません。

Glastonbury Festival
2007年5月24日


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"Glastonbury"
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"グラストンベリー・アンセムズ ~ザ・ベスト・オブ・グラストンベリー~ 1994-2004 "
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*1994-2004までの演奏をピックアップして構成されたライヴ中心の作品。なお、ボーナスで70年代初期のドキュメンタリーの映像も収録。



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"グラストンベリー・フェア"
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*71年に開催された2回目となるグラストのドキュメンタリー映画。ワイト島のフェスティヴァルを記録した"Message to Love: Isle of Wight Festival " (US import)や"ウドストック" (国内盤)、あるいは、"Festival Express" (国内盤 / US import)に重なる「ロックの時代」が垣間見える。


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"Music from Glastonbury: The Film "
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"Live at Glastonbury 1994-2004 " (UK import)
"Glastonbury Fayre... " (UK import)
"Glastonbury Unsigned 2005" (UK import)
"Glastonbury Unsigned 2004"(UK import)
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"Ruby Turner : Live in Concert : Glastonbury 1986"(US import)
"Glastonbury 1993 - in a Field of Their Own"(UK import)
"Glastonbury 25th Anniv."(UK import)
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