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その2枚目として計画されながら、途中でバンドが解散し、当初はムーンライダースの名義で発表されたのがこの作品『火の玉ボーイ』だ。が、いつの頃からか、名義が鈴木慶一となり、今はボックスに入れられたCDとして手にはいるようになっている。 はちみつぱいの『センチメンタル通り』が黄昏時や、あるいは、空が白けてくる朝のイメージだとしたら、続編とも言えるこのアルバムは、おそらく、真夜中のイメージを感じさせる作品だ。ウルフマン・ジャックのようなDJ声が入れられた軽快なロック・ナンバー『あの娘のラブレター』で幕を開け、非の付け所のない名曲が11曲。細野晴臣の『エキゾチカ三部作』やあがた森魚の『ジパングボーイ』、それに、久保田真琴と夕焼け楽団の『ハワイ・チャンプルー』あたりに接点を持つ、ちょっとハードボイルドなエキゾチズムが漂っているという感じかしら。 でも、なんといっても魅力は2曲目の『スカンピン』だ。「俺たち、いつまでも星くず拾うルンペン...」と始まりに、結局、「俺たちいつまでも悲しみ集めるルンペン」とつながっていくのがこの曲。「破れた恋や夢を今日も売り歩く」というフレーズに涙が止まらなくなることがある。そんなフレーズに、おそらく、自分を重ねてしまうんだろうが、これを初めて聞いた大学生の頃から、40代も半ばになろうとしている今も、なにも変わっていないっていうのは、どうしたことなんだろう。 いつだっけか、スマッシュの忘年会でギタリストの松田君と、突然大声で歌い出したのがこの曲。「いいよねぇ、いいよねぇ。泣けるよねぇ」と二人して、どれほどこの曲に惚れ込んでいるか語り合ったことがある。でも、いつまでこの曲を歌うことになるのか... そんな気分の今日この頃だ。 1998年11月28日記す。 |