Ike & Tina Turner, Wilson Pickett, Santana, the Staple Singers and more

Soul To Soul

Soul To Soul

*なお、このDVDはサウンドトラックのCDとの2枚組で、そのCDにはオリジナルのアルバムには収録されていなかったWilson Picketの「In The Midnight Hour」、Ike and Tina Tuenerの「Ooh Poo Pah Doo」、Vocies of East Harlemの「Choose Your Seat And Sit Down」にEarl Tomasの「Soul To Soul(2004)」などが加えられています。DVDはリージョン1で、残念ながら国内のDVDプレイヤーでは再生できません。確認済みです。

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*なお、このDVDはリージョン1用とされていますが、国内のDVDプレイヤーでも再生できます。確認しました。

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 基本的にどんなDVDを探しているかというと... けっこう昔のアーティストや、あるいは、今のアーティストでもその全盛期の映像だったり... というのが多い。なにせ、映像なのだ。すでにこの世にはいないアーティストの、とんでもない迫力の演奏を見てみたいと思うのは至極当然のことで、昔からのテンションをずっと保っているとんでもない巨人でも過去に驚異的な演奏の記録が残しているかもしれない... と、そんな思でネットサーフィンして傑作を探し出すっていうのかしらん。特に、リージョン・フリーのDVDプレイヤーを入手してからというもの、その傾向がどんどん強くなって、かなりDVDを買ってしまった。なにせ、そういった作品の場合、あまりまともな解説が見つからなかったり、説明さえもされていなかったりというのが普通で、実際にこの目で見てみないとわからないからだ。といっても、輸入盤だと価格も手ごろで実に簡単に「クリック」してしまうのだ。まぁ、支払いの時期になると、ちりも積もって、けっこう青くなってしまうこと多いんですが...

 ともかく、ここ半年ほど探していたのがIke & Tina Turnerの70年前後の、あのめちゃくちゃセクシーでめちゃくちゃソウルフルだった時代の映像。というので、行き着いたのがこの作品。ガーナの独立14周年を記念して、アメリカの黒人を中心としたアーティストを集めて開いたライヴ『Soul To Soul』のドキュメンタリー映画なんだけど、これがすごい。71年3月6日にガーナのアッカで14時間にわたって繰り広げられたライヴを中心に「初めて母なるアフリカに戻った」アフロ・アメリカンたちの驚きや感動がぐっと凝縮されているのだ。

 時代は公民権運動を経て「ブラック・パワー」の時代。スタッフ全員が黒人だったという映画『SHAFT(黒いジャガー)』を代表作に、カーティス・メイフィールドが音楽を作った『スーパーフライ』やマーヴィン・ゲイが音楽を担当した『Trouble Man』あたりも同じ流れになると思うんだけど、「Black is beautiful」という言葉が合い言葉のように話されていた頃だ。差別されてきた彼らが自分たちのルーツに真正面から向き合って、James Brownの『Say It Loud: I'm Black And I'm Proud(大声でいえ、俺は黒人だ、それが誇りだ」』といっていた時代にアメリカのソウル界を代表するWilson PicketからIke& Tina Turner、The Staple Singersたちが大西洋をわたって体験したことをドキュメント。母なる大地の音楽や文化に彼らが衝撃を受けている様は、それだけでも感動的だ。

 それに演奏の数々... これこそ探し求めていたIke & Tina Turnerだというほどに、ダイナマイトなライヴは圧巻。まぁ、ティナの場合、あれから30年以上が過ぎているのに、今もセクシーかもしれないけど、ノーブラ、おっぱい丸見えのシースルーな衣装で歌い、踊る様は... たまりません。いや、エッチな意味じゃなくて、そんなことぶっ飛んでしまうほどに「ソウル」を感じるんですよ。(ちなみに、ボーナス・トラックとして収録されている彼らの演奏、オーティス・レディングで有名な「I've Been Loving You」では、かなりきわどいアドリブでみんな大騒ぎしていますが、それに関して、ここでは書きません。自分で見てくださいな。これは、すんごいエッチよ。)

 それに、全然知識がなかったんですが、The Voices of East Harlemも強力。ゴスペルなんだけど、音の洪水といってもいいほどのファンキーな演奏をバックに彼らが歌う様は背筋がぞっとするほどで、このグループを知らなかった自分って「なさけねぇ」と思ったほど。歌っている人たちがトランス状態に入りながら、オーディエンスをぐいぐいと引き込んでいく。すごいねぇ。でも、アルバムは手に入らないようですけど...

 ヘッドライナーとなっているのは、Wilson Picketで彼が「In The Midnight Hour」を演奏するときの観客の騒ぎっぷりや演奏のホットさといったら... ソウルとかR&B(あの...軟弱なJ R&Bじゃなくてディープで真っ黒なやつよ)が好きな人だったら、こんな光景を見たら卒倒すると思うよ。これも感動です。

 それに、ラインアップのなかではちょっと異色かもしれないけど、Santanaがとんでもない。なんでもアフリカとアメリカをつなぐカリブ海の流れも入れようという意図があっての出演となったらしいが、精神的な意味でカルロス・サンタナがこのライヴでどれほどのインスピレーションを感じていたか... 彼らの演奏を見れば一瞬で理解できる。もちろん、『Woodstock』の時もすごかったけど、ここでの演奏はそれを遙かに越えてワイルドでぶっ飛んでいる。一緒にパーカッション奏者のWillie Boboが姿を見せていて、これにはびっくりしたけど、ちょうど傑作、『Abraxas(天の守護神)』を発表したあとで、脂がのりきったSantanaの絶頂期のおいしいところがここにあるって感じかしらん。すごいよ、これ。もちろん、大ヒット曲「Black Magic Woman」をやっていて、ファンじゃなくても、これを見たら、Santanaのすごさが一瞬でわかると思う。

 アメリカの良心とでも呼べそうなThe Staple Singers、アフリカの歴史や文化に造詣が深かったLess McCannとEddie Harrisのコンビネーションもいい。もちろん、このとき出演したアフリカのミュージシャンたちの映像がほとんど収録されていないのが残念だし、ポスターに記されているRoberta Flackの演奏シーンが皆無なのはすごい悲しいけど、演奏のみならず、『アフロアメリカンの母なる大地への旅』を記録した映画としてこれは傑作だと思う。

 ちなみに、それぞれのトラックでは当時、このたびに加わったミュージシャンたちのコメントが収録されていて、当時を振り返りながらいろんな話を聞くことができます。残念ながら、字幕はなしで、英語が理解できないといけないけど... 理解できる人には、これは面白い。あと、CDは全15曲入りで、このアルバムを聴いているだけでも、もちろん、楽しい。というか、この2枚組で2800円弱で購入可能となっています。(この原稿をアップした時点で)


2004年11月2日記す。


reviewed by hanasan


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