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2007年11月19日

浪曲師、国本武春のブルーグラスDVD

国本武春 このところ、自分が関わったものに関する作品のリリースが相次いでいるんだが、これも、どこかでそんな一枚。浪曲師で、同時に、ブルーグラスのミュージシャンでもある国本武春のライヴを収録したものだ。『どかーん!武春劇場 tour 2007』というタイトルのDVDで、これが一昨日、うちに届けられた。このジャケットの表四(裏表紙)に自分が撮影した作品が使われているんだが、それは今年の7月4日の渋谷パルコ公演での写真で、そのときの様子をレポートしたのがこれ。このDVDで使われているのは、あのレポートでは掲載していないものなんだが、ウェッブというメディア、そして、組写真によるライヴのレポートという意味で、『いいなぁ』と思っても使えない写真が多々あり、これもそんな一枚だ。

 そのDVDの顔、国本さんと初めて出会ったのは昨年のサウスバイ・サウスウエストで、一緒にアメリカに渡り、全米(って、そんなに大げさではないと思うけど)6箇所ほどをツアーしている。なんとそのときの自分の役割はステージでのMCだったんだが、同時にライヴの写真も撮影するというもので、時には、通訳的にみんなを助けたりもしなければいけなかったんだが、実に楽しかった。そのときの様子はこちらのオースティン公演を皮切りに、全行程のフォト・レポートをアップしているので、チェックしていただければ幸い。

 ちなみに、彼がイースト・テネシー大学に留学した頃から一緒に演奏しているラスト・フロンティアとのブルーグラス・ライヴはオースティンでの2本のみ。残りは彼がソロで演奏するというものだったんだが、ニューヨークからシカゴ、オークランドからサンタ・モニカと、どこの会場でも最もお客さんを湧かせたのが彼ではなかったかと思う。なにせ、三味線でブルースもやれば、カントリーもやるし、ボトルネック奏法まで飛び出してくる。その楽しさは一度見たらやみつきになるのだ。しかも、締めはいつも浪曲で『忠臣蔵』のさわりをやってくれるんだが、日本語がわからなくても「笑える」ほどのエンターテイナーぶりを見せてくれる。さすがに「生」でずっとステージに立ってきた人だと大いに感心したものだ。日本語が理解できようと出来まいと、そんなことは無関係。英語なんぞほとんど話していないというのに、アンコールを求める声がやまなかったのが面白い。

国本武春 ところで、彼の他に数々の三味線演奏家と一緒のツアーでMCを担当するという話を持ちかけられた時に、当然、全アクトの資料を取り寄せているんだが、その時、(あるいは、それ以前だったかもしれないが、ちょいと記憶がはっきりしない)彼のウェッブサイトの通販で購入したのが1枚目のアルバム、『アパラチアン三味線』だった。すでに、続編的なアルバム『Sushi & Gravy』も発表されているんだが、今のところ、後者は彼の公式サイトか、彼のライヴでしか購入できないようだ。とはいっても、どんな音楽を演奏しているのかをチェックしようと思えば、そこでも出来るし、Takeharu Kunimoto & The Last FrontierのMySpaceでも、4曲ほど聴くことが出来る。が、出来れば、『アパラチアン三味線』は聞いてもらいたいと思う。掛け値なしの傑作です。一般的にいえば「際物」的な見られ方をするんだろうが、そんな発想をするのは実際に聞いていないからだろうと思う。単純に三味線でブルーグラスをやっているという域を遙かに超えて、カントリーやブルーグラスのルーツの上に根ざして、東洋的なメロディのオリジナルを、しかも、名曲を彼が生み出していることに驚かされるのだ。実に素晴らしい。

 今回のDVD、『どかーん!武春劇場 tour 2007』はまだ到着したばかりだし、仕事がたまっているので見てはいないんだが、だいたいは想像できる。おそらく、強者のミュージシャン達だから、毎日演奏曲目に若干の変化はあっただろうと察するが、基本的に横浜でのライヴを収録したこれも、自分が撮影した7月4日とそれほどは変わらないように思えるのだ。が、楽しみはブルーグラスではなく浪曲の方。実は、あのシリーズのライヴ、毎日前半が浪曲の歴史を実演付きで解説するというもので、自分が撮影した初日は「そもそも浪曲はどこから始まった?」といったもの。で、数日後に、自分が大好きな先代の広沢虎造のことを話してくれたんだが、このときは虎造のスタイルに沿って、国本さんがうなってくれていて... それを見たくてカメラなしでパルコ劇場に向かったものだ。

 DVDのパッケージを見ると、第一部として「三味線弾き語りで綴る浪曲の歴史」というのがあるから、おそらく、このシリーズ・コンサートの毎日の浪曲部分をダイジェストのような形でまとめてくれているのではないかと察する。だとしたら、実演付きで浪曲の美味しいところをつまみ食いできるといった感じかねぇ。だから、実に楽しみなのだ。

 とはいっても、一度は生で浪曲を見てみたいなぁと思っている。だから、年末恒例の彼のツアーにでも出かけてみようかと思っている。出し物は彼の十八番、時期も完璧な忠臣蔵で三味線弾き語りのワンマン・ライヴだとか。詳しい日程は公式サイトでチェックしていただきたいのだが、初日が11月28日の八王子ということで、実は、今、悩んでいるのです。なんでも、噂で聞くには、観客を大笑いさせて、大泣きさせるというのが彼の浪曲。だったら、見てみたいと思うじゃないですか。

追記

これを書いて、その翌日、ちょいとこのDVDを見てみたんだが、前半部分、毎日の公演を撮影してのダイジェストではなく、横浜のライヴで「浪曲の歴史」を一人でステージに立ってまとめたものでした。残念。バジェットのせいかしら。もちろん、それでも面白いんですが。


投稿者 hanasan : 2007年11月19日 13:38

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