自衛隊カンポジア派兵訴訟(大阪訴訟)判決のコメント



判決に関する原告団コメント
                     1996年5月20日
                      自衛隊カンポジア渡兵達意訴訟原告団

1.私たちの請求が退けられたことは極めて残念なことです。わが原告団は弁護団と協議
 のうえ直らに控訴の準備にとりかかり、今後控訴審へ向けての闘いを進めていきます。
2.私たちは92年の第1次カンボジア派兵から93年の策2次派兵にかけて提訴し、現
 原告数は366人ですが、延べにして640人が提訴に参加した。しかし、裁判手数料
 問題で裁判所は原告資格を認めず、第1回口頭弁論から波乱含みの出発でした。
 私圧たちはこの派兵が今後限りなく拡大される危機感をもち、その侵害事件として提訴
 した。そして4年後の今日危惧したとおりとなっている。
 何ゆえに裁判所は私たちの手数料算定を退けたか不明だが、これを「濫訴」の類い
 とするなら極めて残念なことです。その後一部原告は処分に対して、高裁抗告で異議を
 申し立てた結果、地裁処分は誤りであるとして退けられた。
3.大阪では昨年10月に掃海艇派遣を違憲とする訴訟の判決、今年3用には湾岸90億
 ドル支援・掃海挺派遣などを違憲とする訴訟の判決があり、何れも請求は退けられてい
 ます。従って今回の判決結果はある程度予測していた。しかし、私たちは負けても負け
 ても法廷での闘いを続けていくつもりです。何故なら、国の違憲・違法行為を追認する
 裁判所判断が誤りであり、私たちの請求・主張ガ正当であるからです。
4.いま、21世紀に向けて日本はどのような道を選択するか重要な岐路にさしかかって
 います。「平和憲法」に基づいて軍縮・平和への道か、冷戦体制の軍拡をさらに継続す
 るかどちらですガ、政府は白米安保体制のもとで軍事国家への道を歩もうとしていま
 す。今回の判決・判断は「憲法の番人」たる裁判所の責務を放棄し、これらを追認する
 不当なものです。
5.今年4月クリントン大統領ガ来日し、日米首脳会談でいわゆる日米安保「再定義」が
 確認されました。これによって在日米軍基地は固定化され、米軍後方支援の名のもと
 「専守防衛」の自衛隊は、極東はもとより派兵範囲を世界的に広げようとし、アジア各
 国の人々は警戒と危惧を抱いています。そしていま、憲法にも反する個別自衛権のうえ
 に「集団的自衛権」をも急速に「解禁」されようとしています。
 これらは何れもこれまでの□頭弁論で、憲法学者や軍事専門家の証人ガその違法違憲
 性を立証してきました。にもかかわらず今回桓判決はこれらの証言を無視したものです。
6.92年6月に「成立」した「PKO法」は、充分論議もされぬまま強行採決されたも
 のであり違法なものです。それに基づいた同年9月から始まるカンポソア派兵は違憲違
 法なものです。同法でいう「停戦合意」は実質的には成立しておらず、文民警官が銃撃
 され同法にないパトロール任務が加えられています。その後モザンビーク、ルワンダ、
 そしてゴラン高原と派兵範囲が拡大されるにつれ、「PKO法」でいう任務も拡大解釈
 されもはや「憲法の枠内」で収まり切れないところに来ています。
7.「PKO法」は既に制定後の見直し期限をすぎており、1月末のゴラン高原・国連兵
 力引き離し軍への自衛隊参加は「凍結」されたPKFへの実質的な参加です。このよう
 にカンボジア以後海外派兵はエスカし−トを重ねる一方です。かって「蟻の−穴」とい
 うことが言われましたが、同様の趣旨は1954年の国会「海外派兵禁止決議」提案理
 由でも言われました。以上のように今回の判決は、三権分立の裁判所という立場を自ら
 放棄した、行政追認の憂うべき判断であります。


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