[市民平和訴訟の会・東京]被告(国)準備書面(八)

(注1)ページ数の割降りは、紙の裏表を合わせて「1」と数え、 裏と表の間は "---------------------------" で示してあります。
(注2)原告および証言者の個人名は「*」で置き換えてあります。



平成三年(ワ)第二六二号、同年(行ウ)第九○号、平成四年(行ウ)第六号

                          原告 *****
                             ほか一○一六名

                          被告 国

平成五年六月二二日

                          被告指定代理人
                                芝田俊文
                                足立 哲
                                鈴木朝夫
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                                菊田豊
                                三原祐和
                                池松英浩

東京地方裁判所民事第二部御中

              準備書面(八)

第一 変更された請求の趣旨について
 平成三年(ワ)第二六一一号戦費支出差止等請求事件における原告****及
び同****、平成三年(行ウ)第九○号掃海部隊派遣差止等請求事件における
原告****及び同****は、一九九三年(平成五年)四月二七日付け「請求
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の趣旨の変更申立書」において、それぞれ請求の趣旨第一項を変更した。
被告は、右変更された請求の趣旨に対し、次のとおり答弁する。
一 変更された請求の趣旨に対する答弁
  1 本案前の答弁
    本件変更された訴えをいずれも却下する
   との判決を求める。
  2 本案の答弁
    原告らの請求をいずれも棄却する
   との判決を求める。
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 二 本案前の答弁の理由
   本件変更された訴えは、(l被告国において、一九九一年三月一二目湾岸アラ
  ブ諸国協力理事会との間の交換公文に従って、同理事会に対して九○億ドル
 (一兆一七○○億円)を支出したこと」(平成三年(ワ)第二六一一号)、
 「被告国において、一九九一年四月二四日付閣議決定及び同日付安全保障会議
 決定に基づいて、海上自衛隊の掃海母艦・掃海艇及び補給艦並びに自衛隊員を
 ペルシャ湾に派遣したこと」(平成三年(行ウ)第九○号)が、主位的には違
 憲、予備的には違法であることの確認を求めるものである。
  右訴えは、その請求の趣旨自体から明らかなとおり、いずれもいわゆる確認
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 請求であるが、必ずしも判然としないものの民事上の確認請求として提起して
 いるものと解される(前記「請求の趣旨の変更申立書」の申立の理由二項末尾
 参照)。
  ところで、国が行政主体として権限の発動を行うためには、行政機関が必要
 であり、この行政機関が)定の権限関係において組織され、これによって初め
 て行政主体としての活動が可能となるものであるが、変更された請求の趣旨に
 おいては、そもそも、国のいかなる行政機関の権限行使が問題とされ、いかな
 る権限の行使について違憲ないし違法の確認を求めているものであるのかが明
 らかでないが、その実質は、一定の行政行為について違憲ないし違法の確認を
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 求める訴訟にほかならないものというべきである。そうだとすると、原告らが
 行政訴訟の方法により何らかの請求をすることができるかどうかはともかくと
 して、これを民事上の確認請求と構成した上、国を相手方として同内容の請求
 をすることは不適法であるといわなければならない。
  仮に右の点をさておくとしても、変更された請求の趣旨は、その文言自体に
 照らし、単なる過去の事実ないしは法律関係の確認を求めるものというほかな
 く、現在の権利又は法律関係に係る訴えではないから確認の利益がなく(最高
 裁昭和三○年一月二八日第二小法廷判決・民集九巻一号一二五ページ、同昭和
 三○年九月三○日第二小法廷判決・民集九巻一○号一四九一ぺ−ジ、同昭和四
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 ○年二月二六日第二小法廷判決・民集一九巻一号一六六ページ、同昭和四○年
 一一月二五日第一小法廷判決・民集一九巻八号二○四○ページ、同昭和四七年
 七月二○日第一小法廷判決・民集二六巻六号一二一○ページ等参照)、確認訴
 訟における対象適格性を欠くものとしていずれも不適法な訴えというほかない
 ものであるから、速やかに却下されるべきである。
  もっとも、過去の法律関係の確認ではあっても、それが原告らの権利又は法
 律関係についての現在の危険ないし不安を除去するための直接かつ抜本的な紛
 争の解決の手段として最も有効かつ適切と認められるがごとき例外的場合には、
 過去の法律関係について確認の利益が認められることもあり得ないではない。
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  しかしながら、湾岸アラブ諸国協力理事会に対する一兆一七○○億円(当時
 のレートードル一三○円換算で九○億ドル相当)の支出については、平成三年
 三月一二日付けの湾岸アラブ諸国協力理事会との間の交換公文に従って既に拠
 出済みであるところ、すでに拠出済みである一兆一七○○億円(当時のレート
 ードルー三○円換算で九○億ドル相当)の支出について、違憲ないし違法か否
 かを確認することが原告らの権利又は法律関係についての現在の危険ないし不
 安を除去するための直接かつ抜本的な紛争の解決の手段として最も有効かつ適
 切と認められないことは明らかである。
  また、ペルシャ湾掃海部隊は、平成三年四月二四日付けの「政府は、自衛隊
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 法(昭和二九年法律第一六五号)第九九条の規定に基づき、我が国船舶の航行
 の安全を確保するために、ベルシャ湾における機雷の除去及びその処理を行わ
 せるため、海上自衛隊の掃海艇等をこの海域に派遣する。」旨の安全保障会議
 決定及び閣議決定を受けて所要の手続を経て実施されたものであるが、同部隊
 は、同年九月二三日、その任務を終了し、同年一○月三○日、呉に入港し、帰
 国し、右帰国をもって、その編成が解かれたものである。そうすると、右閣議
 決定等は、同日をもってその効力が消滅したというべきものであって、ペルシ
 ャ湾掃海部隊を派遣したことが違憲ないし違法か否かを確認することが原告ら
 の権利又は法律関係についての現在の危険ないし不安を除去するための直接か
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 つ抜本的な紛争の解決の手段たりえないことも明らかである。
  したがって、現時点では前記の意味での確認の利益も存しないというはかな
 く、前記変更された請求の趣旨は、いずれも確認の利益を欠き不適法なもので
 あるから、速やかに却下されるべきである。

第二 原告らの主張する事実に対する被告の認否及び主張
  原告らは、請求原因については従前の主張をそのまま引用するようであるが、
 原告らの主張する事実に対する被告の認否及び主張は従前どおりである。
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